2016年3月15日

薬局の業務を劇的に効率化する10の方法

日々業務の効率化について考えいろいろなことを実践していますが、今回の記事はその集大成となるものです。

8千文字をこえる長文ですが、こんなニッチな分野を具体的にまとめる人はそうはいないとおもいますので、長くなるけどぜひみてみてやってください。

エクセルで業務改善する内容が多いのですが、エクセルのサンプルデータは有料記事のみでDLできるようになっています。 以前に紹介した10秒薬歴を実現した方法と考え方の有料記事を大幅にヴァージョンアップして薬局の業務改善事項も追加しました。

有料記事の目次
・10秒薬歴を実現した方法
・薬歴ソフト立ち上げの簡略化
・日本語入力ソフトの切り替え
・明細書と領収書の一体化
・FAXをPC連動
・発注先が最安卸になるように最適化(サンプルDL可能)
・各店の在庫や薬品使用量を共有(サンプルDL可能)
・レジ金の計算と〆作業の簡素化(サンプルDL可能)
・発注方法の最適化
・小口金の入力の簡易(サンプルDL可能)
・印刷の高速化
・新旧薬価対比表(内服・外用・注射薬)(DL可能)
・おまけリスト(配合錠一覧、OD錠一覧、フィルム錠一覧)(DL可能)

有料記事

業務改善スタート


ブログが趣味ということもあって、薬局内ではわりとPCに精通している方なので、PC関係での業務改善が主です。

私が手がけた一番の業務改善の功績はなんといっても薬歴の自動化です。

自動化といっても文章を自動化するものではありません。それはやっちゃダメっ。

いろいろ自動化したけど、その一つを紹介します。「S」「O」「A」「P」をマウスで1つずつ選択していたものを、プログラムでワンタッチキーで全て自動で入力できるようにしました。

「S」「O」「A」「P」を1つずつクリックで選択する必要があるのはカシオ(P-CUBE)の薬歴の特徴だそうです。他の薬歴ではこのように手間のかかる作業はもともともないそうです。

薬歴の業務改善については以前にも紹介しているのでそちらの記事で確認下さい。

>>10秒薬歴を実現した方法と考え方

どの薬歴ソフトでも応用できますが、とくにカシオの薬歴と親和性がイイのでP-CUBE使用しているのであればその効果は抜群です。

この他にも、記載内容とは関係ないところで自動化を組み込んで薬歴の入力を格段に快適にしました。

この薬歴だけで、どのくらいの業務改善できたのでしょうか?

具体的な成果は残業時間にあらわれている。

薬歴の改善してから顕著に残業時間が減りました。1日30~60分ほど発生していた残業がほぼなくなりました。

つまり、業務時間内に薬歴が終わるようになったのです。薬歴が残ったとしても、翌日の業務に影響が出ないような量になったので、残業が0になりました。

残業だけではありません。

残業を避けるために休憩時間を削っていた人も、業務改善により休憩時間がとれるようになりました。

これは残業時間削減という具体的な数字にはあらわれないけど、大事なところですよね。

1人あたり30分の残業を削減したとします。薬剤師は3人で、時給は3000円です。

1日0.5時間×3人×3000円×20日/月で、月90000円の人件費削減効果がえられたわけです。実際は、サービス残業だから人件費はかかってないから節約になってないけど、そもそも残業代0ってのがおかしい話ですからね。

薬歴残業の弊害は関係ないはずの事務員の残業にもつながることです。

残業代でないなら迷惑以外のなにものでもない。

なぜ、事務員も残業するのか?


それは、薬剤師が薬歴残業している間に事務員が後片付けと閉店作業をするからです。

本来であれば全員でやるべき後片付けですが、薬剤師は忙しいという理由で手伝いません。

処方せんのハンコをおしたり、スキャンしたりと手伝えることがあるので手伝い残業を強いられるのです。それもこれも薬歴が残ってるからです。

薬歴が残ってるのは薬剤師の責任だから、事務員の残業は「手伝う義理はあっても義務はない」って感じですが、世の中には「チームワーク」という言葉があるのでそうもいきません。

ここで名言(迷言)。

ワンフォーオール、オールフォーワン

ルーキーズの漫画で知りましたが、最近では僕らのヒーローアカデミーの個性としても使用されています。

「ひとりはみんなのために、みんなは1人のために」と私は思っていますが、薬剤師がどうおもってるかはしりません。

業務改善すると、結果として事務員もはやく帰れるので自身でも業務改善の成果の恩恵は受けれたと思う。

「情けは人のためならず。」ってまわり回って自分に帰ってくるものなのです。

さて、

ここからはカシオ(ユニケ)の薬歴専用のプライベートな業務改善を説明します。

結構マニアックですよ。

カシオの薬歴P-POSについて書いてみます。

薬歴ソフト立ち上げの簡略化


カシオの薬歴P-POSの場合、薬歴を記載する際の使用するソフトが、薬歴を見るソフトViewerと書くソフトEditorとにわかれています。

Editorを立ち上げるのが苦労のようで、P-POS立ち上げて、Viewerたちあげて、そこからEditorを立ち上げるそうです。

なに?この3ステップ。段階的に立ち上げる必要性があるのでしょうか?

そこで改善を提案です。

Editorって独立したソフトならばEditorを直接立ち上げればいいではないですか。Editorがあるフォルダーを探し当てたので、デスクトップにショートカットを作成しました。

<ショートカットの作り方>
元になるソフトのある場所を探さないといけないけどフォルダの深い階層にはいってるからなかなかさがせません。

簡単な探し方としては、デスクトップに「P-POS」のショートカットがあると思うので、そこを「右クリック」して「プロパティ」を選択します。そして、「リンク先へ移動」をクリックします。

すると「P-POS」のソフトが入ってるフォルダが立ち上がるので、そこに一緒に「Editor」もはいっています。アイコンが見なれたアイコンなので、視覚的に探すといいでしょう。そのショートカットをデスクトップに作成します。

これでEditorだけを一発で立ち上げることができます。

薬歴の記載見させてもらったら、患者1名毎にViewerたちあげてViewer内でEditorをたちあげるんです。

しかも、ソフトの立ち上げ遅いのね。これは正気の沙汰じゃないです。薬歴を書く目的だけなら一発でEditorたちあげましょう。

2ステップのうち1ステップ省略できるから、この効果はでかい。これだけで1回20秒は節約できたと思う。てかPCUBE大丈夫?

あとちょいテクニックをついでに紹介します。

レセコンソフトや薬歴ソフトやメールソフトって朝一立ち上げますよね。とくにレセコンソフトは立ち上がりが遅いから患者が来る前に自前にセットアップしとく必要がありますが、掃除してるとついつい、忘れて患者来たあとにあわてて立ち上げることがあるのですが、これはよくないですよね。

ということで、毎朝必ず立ち上げるものは自動で立ち上がるようにしておくと楽です。

方法は簡単です。ウィンドウズであればデスクトップ左下からスタート。

スタートメニュー>すべてのプログラム>アクセサリ>スタートアップ

この順番にすすんで最後のスタートアップフォルダにショートカットを登録しておくだけです。これで朝PCをたちあげたらソフトまで自動で立ち上がるからのんびり掃除していられます。

日本語入力ソフトの切り替え


日本語入力は薬歴業務の基礎をなすものです。これを見なおさないで、初期のまま使用していたらもったいないです。

以前働いていた会社は有料ソフトで医療用のATOK入れてたみたいだけど、たぶんこれはレアなケースで、多くは初期のマイクロソフトのIME使ってると思います。

私は、自称入力マニアなので時短入力には普段から力をいれています。そんな私の愛用の日本語入力はGOOGLE日本語入力です。とりあえず、家のパソコンはGOOGLE日本語入力を導入しています。ホント最高です。これが無料とか信じられないくらい入力の精度があがります。

まず、サジェスト機能ですね。使えば使うほどに言葉を記憶して入力中に次に入力したい言葉を予測提案してくれます。

携帯で言う予測変換ですね。いつも同じ言葉を打つのであれば十中八九サジェストが出て同じ言葉がすぐに入力できる。とくに入力が遅い人には最強のツールです。人差し指入力のノロノロ入力でも数文字打つを繰り返せばちゃんとした文章になります。

あと変換精度がものすごく高いので、誤変換による入力の訂正が格段に少なくなります。医薬品の名前って単語として認識しないものがほとんどなので変な文節でキレて一部は漢字で一部はカタカナとわけのわからない変換になりがちです。

でも、グーグル日本語入力のすごいところは医薬品を医薬品としてとらえるので一発です。さらに予測変換でサジェストまでしてくれます。ハンパない。

「オロパタジン」「フェキソフェナジン」「カルボシステイン」すべて一発変換の上に全て入力してないです、途中まで打てば予測ででてきます。

マイクロソフトのIMEも以前は予測変換あったけどウィンドウズ7でなくなって、また復活したとかしないとか。もう使ってないからわかりません。

これが無料で使えるのに使わない手はないですが、会社のパソコンだから自分で入れられないんですよね。

明細書と領収書の一体化


明細書についてです。おそらくだけど、領収書と同じプリンターから印刷していると思う。

で、2パターンですね。明細書と領収書で1枚ずつ出すパターンと、明細書と領収書の一体型で1枚で印刷するパターンです。

明細書なんて読む人ごく一部だから、一体型でいいとおもう。印刷のコストも削減できるし、印刷の待ち時間もへる。プリンターの摩耗も防げる。

で、明細書一体型を使用しているならぜひやっておいて欲しいのが、事前に白い紙に領収証のスタンプを押してカセットにセットしておくことです。

これで印刷してでてきたものに、領収印を押す手間が省けます。

これをするためには領収証の紙専用のカセットが必要なので、PC周りの環境によりますが、見なおせば意外とできるので一考の価値はある。

FAXをPC連動


PCからFAXが遅れるようになるとメッチャ便利ですよ。

以前に記事でまとめたのでよかったら参照して下さい。

印刷物を直接FAXできるからDRへのGE変更も印刷するまでもなくPCから直接おくれます。頭書きも自動で登録できるので一々記載する必要がありません。

店舗グループへの一斉送信もメール感覚でグループ送信で簡単に行えます。

ドライバインストールするだけだから、連動していないならFAXの説明書をみながら試してみてはどうでしょうか?

>>薬局のFAX使いこなせてますか?

発注先が最安卸になるように最適化


発注の最適化についてですが、発注するときの基準はなんといっても価格だと思う。

卸によって得意なメーカー不得意なメーカーがあるから、意外と品目によって納入価はまちまちです。

複数卸と契約しているのであれば一番安い卸しで発注するのが一番いいのは当たり前の話ですよね。

>>発注先を最適化するという地味だけど絶大な効果を示す事務作業

でも、一番安いのがどの卸なのかを探すのって大変な作業です。それぞれの分厚い一覧表を参照して、比較するなんてことは普段の業務内で行うことはできません。

そこで考えたのが一覧を1つのワークシートにまとめてしまえばいいのです。

そして、商品をスキャナーでピットするだけで、各卸の値引率と最安卸の提案をしてくれるエクセルの表をつくりました。

表のもとになるデータは卸しにお願いしてエクセルデータで送ってもらいます。それを組み合わせて作ります。

商品ごとにスキャンする機能をもうけるといいですし、それ以前に、最安卸を卸ごとにまとめて出力して、レセコンに事前に発注卸といて登録しておくといいです。

これだけで月に数万円は節約できます。

業務改善をするにあたってはエクセルのスキルは必須です。とくに、もっとも使用頻度の高いVLOOKUP関数だけでも使えるようにしとくとできることが格段に増えます。

各店の在庫や薬品使用量を共有


他店の在庫状況ってオンラインで繋がってなければみれませんよね。それをオフラインで確認できるように改善しました。

ただ、毎月まとめの作業が発生します。

各店舗からレセコンから出力した月末在庫と月々の使用量の一覧表を月に1回メールでおくってもらいます。

それを1枚のシートにまとめてさらに検索機能までかけれるようにして、まとめたものを月に1回各店へメールで送ります。

そうすることで、各店は他店の月々の薬品使用状況や月末時の在庫状況を把握でき。

店舗間での在庫のやりとりがスムーズになります。

表を作成するのにはすこし技術が入りますが、マクロ組んでしまえばだいたい自動でできます。またエクセルではなくアクセスで編集するとより楽かもしれない。だって、いわゆるデータベースですもの。

レジ金の計算と〆作業


毎日する締め作業を簡易化できたら、ラクだと思いませんか?

締め作業ってどうしても患者終わってからになってしまうので、これに費やす作業すべてが残業の原因になるので極力スマートに終わらせたいわけです。

そこで提案です。エクセルで自動化してみてはどうでしょうか?

まずレジ計算の自動化ですね。

>>レジ金計算まだ手動でやってるの?

計算シートを作るだけなら簡単ですが、もうちょっと踏み込みます。

計算だけならさほど時間はかかりませんが、残業の原因になるもっとも時間をとる作業がレジ誤差の究明です。

レジがあわないとその原因がわかるまで帰れません。返し間違いやもらいすぎっていうのは意外と少なくって追求すると打ち間違いや未収金の回収や発生が原因になります。

これらの原因を究明するさためにはどこがどのようにずれているのか理論的に考える必要がありますが、これを理論的に考えられる人って意外とすくなっくって、結局ジャーナル全部みようとか力技がはじまります。

理論的な思考を簡易化するためのツールを作成しました。

薬局の売上は、最終的に「レセコン上の調剤報酬一部負担金」と「レジスターの入力額」と「実際のお金」が一致するはずです。

たとえば、「レセコンの一部負担金」と「実際のお金」が一致してて「レジスターの入力額」だけが多いのであればこれはこれは二度打ちの可能性が高いですよね。

このように推理していくのですが、この3つの金額を打ち込みさえすれば、推理しなくても原因を提案してくれるようなエクセルシートを作成しました。

関数を3~4個組み合わせればつくれます。これなら実際にある数字を入力するだけなのでだれでもできますよね。

3種類の数字は原因追求のために打ち込むのではなく、日々の日計表をつけるために入力するデータなので余計な作業は発生しません。

ある程度の予想がついていれば原因の究明はさほど時間はかかりません。

試しにつくってみると便利ですよ。

発注方法の最適化


発注方法の見直しも業務改善には必須です。これは考え方を店舗で統一するだけなのでツールがあるわけではありません。

たとえば、花粉症のシーズンにアレグラを5箱在庫していて1箱使ったので1箱発注するという方法は如何なものかということです。

これがヤバイと思わなければ、ヤバイです。

アレグラが1日2回朝と晩に1個づつ納品されてくるんですよ?発注と検品の手間をかんがえたらこんなことはできないはずです。

極端な話だけど、1日2回発注したら月に40回発注することになります。これを大箱で発注したり1回にまとめて発注すれば、40回を4回で1/10くらいにはできるのではないでしょうか?

流石にこれだけ出るなら頻回発注するところは少ないと思うけど、意外と毎日発注してるものって多いんですよ。

一度、月の発注回数ランキングを出力していみるといい。使用量のランキングではないですよ。発注回数(納品回数)の多いものランキングです。

>>薬局の適正発注と在庫管理について考えてみた

回数が多いものに関してはぜひ箱でとったり、月初にまとめて納品したりしてみてください。

小口金の入力の簡易


経費をつけるのは決まって事務員の仕事です。そこで、毎回同じ項目を入力するならプルダウン式のリストにしてみるといいとおもう。

うちでは支払先をプルダウンリストから選択になってるます。

「NTT東日本」や「東京電力」とかね。

また、勘定科目や使用用途をもつけてるならそれはVLOOKUP関数で登録した用途が自動で選択されるようにするといい。

「NTT東日本」を選択したら「電話代」って勝手に入ります。「東京電力」なら「電気代」です。対になっているのを選択するならVLOOKUP関数がおすすめです。

印刷の高速化


かなり地味なテクニックだけど私のお気に入りテクニックの1つなのでおまけとして掲載します。

以前にこちらの記事で説明しています。

>>新患アンケートの印刷がチェック一つで激速になる方法

同じ書類を複数部数まとめて印刷するときに「部数単位で印刷」のチェックを外すだけで印刷が早くなります。ただそれだけのことですが、患者来局時に使用するプリンターを長時間占有することができないので、簡単な時短なのでぜひしっておいてください。

患者アンケートを例にとりあげていますが、どんな印刷物でも同じです。

最後に、


10秒薬歴をメインで記載していますが、その他にも今回の記事のサンプルをDLできるようになっています。もしご興味ありましたらこちらからどうぞ。

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